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地雷除去機の仕組みと機能
世界で初めて、油圧ショベル型の対人地雷除去機を開発した日建。手作業に比べ、約20~100倍ものスピードで地雷を処理することができます。
油圧ショベル型の第一号機。現在もカンボジアで稼働している
日建の対人地雷除去機は、大きく分けて2つのタイプがあります。ひとつは、自由自在に動く長いアームを駆使して地雷除去作業ができる油圧ショベル型。もうひとつは、走行しながら比較的平坦なエリアで威力を発揮し、広い範囲を効率よく除去するプッシュフレール型です。
これらをベースに、除去作業を行う地雷原周辺の環境に最適化するため、さらに装備や機能を一台一台カスタマイズ。高い除去性能を実現しています。
地雷除去の工程と地雷除去機の装備・機能
日建の対人地雷除去機は、稼働する地雷原の環境にあわせてそれぞれカスタマイズしてあります。ここでは、カンボジアでの地雷処理を例にとり、おもな作業工程と、地雷除去機の装備・機能をご紹介します。
01: ブラッシュカッタでブッシュを切り開く
地中に埋められた地雷を見つけやすくするため、 10メートル程度の高さまで木を伐採処理するブラッシュカッタで樹木を除去し、岩や木の根を掘り起こして整地していきます。植物の成長が早いエリアでは、樹木の処理が地雷除去作業の7割を占めると言われていますが、灌木(かんぼく)や岩の処理を機械化することで作業効率が飛躍的に高まりました。
生い茂った樹木の根元に地雷が隠れていることも多い
ブラッシュカッタで背の高い木も簡単に伐採できる
カッター先端のレーキグラップルで樹木を処理
荒れ地を整えることで地中に埋まった地雷を掘り起こしやすくする
02: 高速カッターで地雷を粉砕
高速回転するロータリーカッタで地面30センチメートル程度掘り起こしながら、対人地雷を爆発させて処理する。最後に地雷が残っていないことを探査器や探査犬で確認。油圧ショベル型の場合、1時間におよそ400~800平方メートルの地雷原を処理することができます。
ロータリーカッタで地面を掘り起こす
対人地雷を爆発させる
地雷を嗅ぎ分ける探査犬で取り残しをチェック
03: 豊かな田畑を取り戻す
地雷原の付近で暮らす農民の多くは、「また昔のように安全な畑や田んぼで作物を育てたい」と熱望しています。そこで、地雷除去機の後部に「リッパー」と呼ばれる土を耕す機能を追加。地雷をなくすだけでなく、かつてのように豊かな大地で住民たちが農業を営み、自立した暮らしができる環境を取り戻すお手伝いをする。そこに、私たちが地雷除去事業で目指すゴールがあります。
除去機の後部に取り付けたリッパーで鋤のように荒れ地を耕す
リッパーに飛び乗って肥料や種まきの手伝いをする子どもたち
「さあ何を植えようか?」農地を取り戻した住民たちに笑顔が