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地雷原のジャングルを豊かな大地に変えていく カンボジア王国編
4. 地雷原が小学校になったよ!笑顔の子どもたちと交流を重ねています
かつての地雷原には小学校が建てられ、子どもたちの笑顔で溢れています
道路が整備され、外国企業も進出し、ここ数年の間にカンボジアは大きく変わりました。そして、プロジェクトがスタートして10年がたった2005年、私たちがかつて地雷除去をした場所が、学校に変わっているということを知ったのです。
カンボジアの子どもたちに野球を教える雨宮
その小学校を訪れたとき、雨宮の頭にひとつのアイデアが浮かびました。それは、子どもたちに野球を教えること。まだ狭い校庭の中で笑顔で楽しそうにボールを追う子どもたちと、その外に広がる地雷原。子どもたちが安心して走り回れるようなもっと広い校庭をつくりたい―。それが実現できるよう、様々なプランを頭の中で巡らせています。
また、雨宮は、日本の小中学校を一年に数十回のペースで訪れ、地雷の現状を伝える講演を行っています。そこで、日本の子どもたちが描いた絵や版画などを現地に持って行き、地雷原に暮らす子どもたちを励ます国際交流をスタートしました。日本の子どもたちが絵を描き、カンボジアの子どもたちがまた返事の絵を描く。言葉は通じないけれど、きっとは思いや気持ちは伝わっている。雨宮はそう感じています。最近では、絵のほかにも、折り鶴やクレヨン、サッカーボール、服などを寄付していただくことも増えてきました。
かつての地雷原だった場所に建てられた小学校
日本の小学生が描いた絵を高々掲げ喜ぶカンボジアの子どもたち
カンボジアの農村部では、設備や先生の数が追いつかないため、小学校は午前午後の二部制。しかし、学校に行ければまだよいほうで、それすらかなわない子どもたちがたくさんいます。物も圧倒的に不足していて、白い画用紙にクレヨンで思いっきり絵を描けることなどめったにありません。
貧しく、生きるだけでも精一杯なのに、家族や友だちを助け、懸命に暮らす子どもたち。しかし、絵を描いたり、勉強をしたり、同級生と遊んでいるとき、彼らは本当に心から楽しそうな顔をしています。こうした活動を通じて、子どもたちの笑顔に触れられることは、私たちにとって大きな喜びとなっているのです。
地雷のなくなったグラウンドで元気いっぱいに遊ぶ
そして彼らは、命の大切さ、尊さを知っています。日本の子どもたちに、地雷の恐ろしさやカンボジアの現状、そしてなによりも命の尊さを伝えること。それも私たちに課せられた大切な役割だと考えています。